「新政権への基本姿勢」についてインタビュー


公明新聞より鳩山新政権に対する公明党の基本姿勢等についてインタビューを受けましたので、掲載します。



 民主、社民、国民新の3党で構成する鳩山新連立政権が16日に発足しました。先の衆院選結果を受けた新内閣のスタートながら、その前途は難問山積で、極めて難しい舵取りを迫られる多難な船出となっています。新政権が直面する難問の数々を指摘するとともに、公明党の井上義久幹事長にインタビューし、新政権に対する公明党の基本姿勢について聞きました。



景気にマイナス影響

補正執行一部停止に地方から異論




 高い支持率でスタートした新政権ですが、民主党が掲げたマニフェストに関しては、「多くの公約は、財源確保や目標達成が疑問視されている」(17日付・読売)と指摘されています。特に、高速道路の無料化は「賛成が33%にとどまり、反対は2倍近い63%」(18日付・毎日)に上ります。

 しかし、こうしたマニフェストを実現するため、新政権は2009年度補正予算を一部執行停止にし、その財源に充てる方針です。

 これに対し、「関係する自治体や企業も多く、場合によっては景気の足を引っ張る」(17日付・産経)ことから、地方自治体や経済界からは次々と“異論”が噴出しています。

 「全治3年」とされた不況克服のための補正予算を組み替え、逆に景気回復の流れを止めてしまえば“本末転倒”です。公明党の山口那津男代表も「景気にマイナス影響を及ぼす」と懸念を表明しています。



届かぬ“地元の声”あっさり中止、怒り続出 (群馬県・八ッ場ダム)



 民主党がマニフェストで「建設中止」を打ち出していた群馬県長野原町の八ッ場ダム。所管大臣に就任した前原国交相が改めて地元の意向を聞かないまま、中止を「あっさり明言」(17日付・朝日)したため、地域住民から「また振り出しに戻るのか」「結局、地元の意見は聞き届けてもらえないのか」といった“怒りの声”が続出しています。



 群馬県知事は「中止は言語道断で極めて遺憾」とのコメントを発表しました。長野原町議会は、鳩山首相と前原国交相に建設継続を求める意見書を可決した上で、同町長は新政権の対応に「初めから聞く耳を持たないということ。『そうですか』と受け入れるわけにはいかない」(17日付・読売)と憤っています。

 “地元の声”は結局、かき消されるのか。中止で国の賠償責任が問われるなど「中止の方がムダだ」という指摘さえある中、新政権の対応が問われています。



外交・安保が火ダネ  政権内の“アキレスけん”に 独自性か協調かで



 新政権の“アキレスけん”となるのが外交・安全保障政策です。民主党内でさえ同政策で隔たりが大きいのに「参院で過半数を確保するため、外交・安保政策などで開きがある社民、国民新両党と連立を組んだことが新政権の不安材料」(17日付・日経)だからです。

 特に懸念されるのが日米関係です。インド洋での海上自衛隊による給油活動を見直すとの新政権の方針に対し、米側は「同盟国である日本の給油活動打ち切りが国際世論に悪影響を及ぼすことを懸念」(19日付・読売)しており、在日米軍再編の見直し方針にも「新政権を牽制」(10日付・朝日)する発言が出るなど、“火ダネ”が絶えません。

 民主党との間で政策の開きが大きい社民党が、外交・安保政策の継続性や現実対応に協調できず、自党の独自性発揮に固執して政権内の“不協和音”が高まれば、新政権は暗礁に乗り上げかねません。



現場に根ざした政策を積み 上げ世論を味方に実現迫る

(以下、井上インタビュー記事)




 ――民主、社民、国民新3党による新たな連立政権がスタートしました。



 井上幹事長 私たち公明党が主張してきた「生活を守り抜く」という観点から、新政権による今後の政権運営の方向性を見極めていきたいと思います。



 特に今、景気が下げ止まっているとはいえ、雇用状況は厳しく、年末年始にかけ、もう一段、底割れするのではないかと懸念されています。このため、新政権は、景気や経済に格段の目配りをしつつ、適切な手を打たなければなりません。



 新政権が今年度補正予算の一部執行停止を打ち出したことに対し、地方自治体や経済界はそれを前提に計画を立てているため、自治体の首長などから反発の声が出ています。地方議会でも反対する意見書の採択が相次いでいます。新政権には、景気にマイナス影響を及ぼさないよう、足下の経済に十分留意しつつ、経済対策に空白をつくらないことを強く望みます。



 ――反発といえば、国土交通相が八ッ場ダム(群馬県)の建設中止を表明したことに、地元住民などから“怒りの声”が起きています。



 井上 公共事業の是非については、地元の意向や、必要性を一つ一つ丁寧に検証した上で結論を出すべきです。「初めに中止ありき」はいかがなものか。私たち公明党は、地元住民の皆さんや、関連する自治体などの意見を丁寧に聞いた上で、実際にどうしたらよいかを考えたいと思っています。党内に関係都県の地方議員も交えた協議会を設けましたので、現地調査も行い、意見集約をしていきます。



 ――新政権に対する公明党の基本姿勢について。



 井上 日本は今後、国内的には少子高齢化による人口減少社会が加速します。政権が変わっても、その状況は変わりません。



 このため、公明党は、医療、介護、年金、子育て支援などを持続可能な制度にしていくため、国民の「生活を守り抜く」という観点から取り組んできました。その理念や方針の大枠は変わりませんが、自公連立政権の10年間で公明党が推進した政策について検証するチームを発足させ、制度や法律を実現する過程で問題がなかったかどうかなどを率直に検証していきます。その上で、新政権の政策にどう対応するか、公明党の“立ち位置”を決めたい。



 また、各党がマニフェストを掲げて選挙を戦ったなか、民主党がどう公約を果たすのかを見極めるとともに、公明党としても「野党だから実現できない」という姿勢ではなく、国会論戦を通じ、新政権と方向性について一致すれば協力することもやぶさかでないし、異なるならば問題点を明らかにし、国民世論を味方にする気迫を持って、大胆に政策実現を迫っていく決意です。



 ――10月にも本格的な国会論戦が始まる見通しです。



 井上 公明党は、苦しんでいる人、悩んでいる人に光を当て、「現場」から政策を積み上げてきた政党です。全国約3000人の議員ネットワークを通じ、現場のニーズ(要望)をくみ上げて政策を立案し、実現してきました。現場に根差しているからこそ、野党であっても児童手当などの政策を実現させました。そうした“強さ”が公明党にはあります。加えて、10年間の与党経験も積みました。山口代表が訴えている通り「現場を歩き、対話に動く」闘いの中で公明党の政策立案能力に磨きをかけて国会論戦に挑み、存在感を発揮します。


(公明新聞:2009年9月20日1面掲載)






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