06年度予算政府案 05年度補正予算案について公明新聞のインタビューを紹介します


ムダ省き、歳出にメリハリ

公明の主張を大きく反映

改革を加速、分権へ踏み出す




 2006年度予算政府案と05年度補正予算案がそれぞれ閣議決定され、来年1月に召集される通常国会に提出されます。予算案のポイントや公明党の取り組みなどについて、井上義久政務調査会長に聞きました。




 ――06年度予算政府案の特徴は。



 構造改革をさらに加速させていくための重要な予算です。また、3年間にわたる三位一体改革(国と地方の税財政改革)が決着し、補助金改革で約4兆円を上回る規模、税源移譲で3兆円規模の改革ができました。その意味で、地方分権へ大きく踏み出す予算とも言えます。



 厳しい財政状況を反映して引き続き緊縮型の予算となりましたが、歳出の見直しを行い、ムダを省いてメリハリを付けたことも大きな特徴です。予算全体の規模を示す一般会計総額は聖域なき歳出削減の結果、8年ぶりに80兆円を切る79兆6860億円になり、財源不足を補う国債の新規発行も5年ぶりに30兆円を割る規模にまで抑制されました。



 政府としては、行政サービスが借金に依存して後世代にツケを回さないよう、10年代初頭のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化を目指していますが、財政健全化に向け、重要な一歩を進めたと考えます。



 ――歳出改革の中身については。



 これまで各省庁が予算として計上したものの、全く執行実績がないものなどについて、経費の積算内訳にまで踏み込んで見直しました。その結果、一般会計、特別会計を合わせて約662億円の節約を行うことができました。



 例えばこれまで、社会保険庁・国民年金特別会計において、「ポケットベル使用料」という予算が計上されていましたが、執行実績がないため、来年度予算では計上せず、約2300万円を節約しました。こうした細かな点にもメスを入れ、予算の効率的な使用に向けた努力を続けています。





耐震化など安全・安心を確保



 ――公明党は予算編成にどう臨み、主張はどう反映されたのですか。



 夏の概算要求の時点から政府・財務省に対して、重点要望をまとめるなど積極的に取り組みを進めてきました。



 その結果、緊急課題である少子化対策には、重点的に財源が配分されました。来年4月から児童手当の支給対象上限を小学6年生(現行は小学3年生)まで広げ、支給率も90%(現行約85%)に拡大することができました。保育所も約4・5万人分の保育所受け入れ児童を増やすなど、子育て支援予算が上積みされました。



 また、出産育児一時金が06年10月から、35万円(現行30万円)に増額されるほか、中小企業の育児休業取得を促進する助成金(初の取得者で100万円)も創設されます。公明党が進めるチャイルドファースト(子ども優先)の考え方が着実に反映されつつあります。



 国民の安全・安心の確保に向けては、自然災害への対策費を拡充。特に、緊急津波・高潮対策を強化し、壊滅的被害から人命を優先的に保護する事業を展開する「津波・高潮危機管理対策緊急事業」として44億円が新規計上されました。学校の安全対策では、スクールガード・リーダー(地域学校安全指導員)の養成などに力が注がれます。



 また、医療・健康面では、小児救急医療体制を強化する経費は、約3割増の25億9000万円に拡充されました。



 がん対策でも、国内外の抗がん剤の研究開発状況などの情報を集約する「がん対策情報センター」(仮称)の設置など、強化されています。



 このほか、文化庁予算は今年度に引き続き、1000億円を上回る規模を確保し、文化芸術の振興を後押しします。



 一方、05年度補正予算案には、耐震構造設計偽造問題に対応するため、自治体が実施する建物の耐震調査補助、住民の移転費用などとして80億円が計上されています。



 石綿(アスベスト)対策では、補正予算案(1805億円)と06年度予算案を合わせ、手厚い措置が講じられました。ダイオキシン土壌汚染問題への対応も、補正予算案(27億6700万円)と、06年度予算案(7億2000万円)に対策費が盛り込まれています。新型インフルエンザ対策では、治療薬「タミフル」の備蓄(162億円)などの財源が手当てされています。





 ――予算案の復活折衝では、公明党が掲げた35項目がすべて反映されていますね。



 具体的には、国民の治安に対する不安を払拭する施策として、新しく地方警察官3500人を増員。また、燃料電池関連など、中小企業の高度で革新的な製品などの開発を支援する事業では、大幅な増額となりました。



 さらに、中心市街地の活性化を後押しする「暮らし・にぎわい再生事業」や、米を中心とした「日本型食生活」の普及を図る食育推進事業など、公明党が推進してきた施策の多くが拡充されることになりました。





財政再建への増税は行わず



 ――今後の取り組みと課題は。



 まずは、来年度予算案と補正予算案を早期に成立させることが必要です。



 また、国勢調査の結果(速報値)、今年10月の日本の総人口が昨年に比べ約1万9000人減り、戦後初めて減少したことを踏まえ、少子化対策を加速させ、持続可能な社会保障制度の構築に力を注いでいきます。



 さらに、将来世代への責任として、現在、国が抱えている借金をこのまま放置することは許されず、財政再建に向け、徹底した歳出削減を行う必要があります。そのため、24日に閣議決定された「行政改革の重要方針」では、公明党が行政のムダ排除の具体策として主張している「事業仕分け」(国の全事業を洗い直す作業)の考え方が盛り込まれました。



 財政の健全化は、行政のムダ削減と経済成長による税収増で目指すべきであり、財政再建のための増税は行わない方針です。






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