「アスベスト問題・被害救済」公明新聞のインタビューを紹介します



アスベストの健康被害 すき間なく救済へ


中皮種はすべて対象に
公明議員が一貫して議論リード






 アスベスト(石綿)被害の救済へ、政府は9月29日、次期通常国会に提出をめざす新法の基本的枠組みを決めました。立法措置を提案するなど、一貫して対策をリードしてきた公明党の井上義久・党アスベスト対策本部長(衆院議員)に、現状と今後の課題を聞きました。


患者、遺族に医療費など支給


――新法による救済の対象は。


 アスベストを原因とする中皮腫、肺がんなどの疾病であれば、すべての患者、遺族を対象として検討しています。現行制度では、健康被害を受けた労働者に対する労災補償はありますが、家族や周辺住民、また労災補償の時効を過ぎた場合の救済措置がありません。


 今回の新法は、「アスベストによる健康被害者をすき間なく救済する仕組みとする」ことが目的であり、疾病を基準とすることで、漏れのない救済ができると考えています。ただ、中皮腫の患者にはすべて救済措置を行う方向ですが、肺がんの場合は、さまざまな原因が考えられるため、医学的な知見に基づく認定基準の作成を急ぐ必要があります。


――具体的には、どのような措置がとられるのか。


 既に治療中の方には、医療費の支給と生活支援的な療養手当を支給する方向です。また、遺族に対しては、遺族一時金と葬祭料の支給、時効などで労災補償を受けずに亡くなられた労働者の遺族については、労災補償に準じた措置を講ずることとしています。今後、想定される健康被害者数を算出し、予算規模を明確にすることが課題となります。給付額については、他の制度も参考としつつ、被害者の立場を最大限尊重したものになるよう努力してまいります。


 また、現在、労災認定されずに中皮腫で闘病中の一人親方の人などもいます。中皮腫は非常に予後の悪い病気で、発病からの平均延命期間は15カ月とも言われており、新法が制定されてから救済というのでは、手遅れになりかねません。病気による苦痛に加え、大変な経済的負担に苦しんでいるこうした方々に対しても、緊急に何とか手を差し伸べることができないか、政府とも協議を重ねています。


――救済措置の財源について。


 アスベストによる健康被害は、潜伏期間が数十年と長いため、原因事業者を特定しにくい側面があります。しかし、財源を事業者に要請していくことは新法の骨格でもあり、それが製造事業者だけなのか、運搬事業者や、製品の一部にアスベストを使用した業者、アスベスト製品を使用した建設業などの各種業界まで含めるかについては、現在、与党内で検討を進めています。基金を創設する場合の公費負担の割合については、事業者の範囲が確定した上で、早急に詰めなければならないと考えます。党としては、あくまで健康被害を受けた対象者を包括的に救済することを最優先に、国、地方も含め財源の確保に取り組みます。


――今後、健康被害者の増加も懸念されます。予防策について。


 これまでも、労災病院などで「アスベスト疾患センター」を設置し、アスベスト関連疾患の健康相談、診断治療を行う体制の整備が進められています。今後の対策としては、まず、建築物などの解体時の飛散防止措置を徹底し、アスベストの全面禁止を早急に行う必要があります。また、公明党は小泉純一郎首相にあてたアスベスト対策についての要望書の中で、「より鋭敏かつ効果的な診断法や治療法の開発のための研究を進めること」とともに、「中皮腫登録制度」の創設を提案しています。被害拡大の防止と被害者の立場に立った診断治療体制の整備、研究開発を進めることが、予防の第一歩となると考えます。


――各省庁による使用実態調査が進められています。危険性が明らかになった場合は。


通常国会で法案の早期成立へ


 緊急には封じ込めを実施し、最終的には安全に除去するという方向です。自治体間の取り組みの温度差が伝えられていますが、融資や補助金など、自治体の取り組みを促す制度的な工夫も検討しています。公的な施設や、資金力のある大企業は対応できても、中小企業や分譲マンションの管理組合などでは、対策の実施が経済的に困難な場合があります。場合によっては補正予算を組むことも必要ではないかと考えています。


――公明党の取り組みについて。


 公明党は6月末にこの問題が明るみに出て以来、直ちに対策本部を設置して現場に足を運び、患者や支援団体、有識者から意見を聞くとともに、政府にも申し入れを行い、与党内の議論をリードしてきました。特に、救済新法については、公明党がどこよりも早く必要性を訴えたことが後押しとなり制定の方針が決まったものです。今後は、これまで述べてきたような法案の内容をできるだけ早く固め、次期通常国会の冒頭には法案提出し、早期成立させることができるよう努力してまいります。



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