「骨太の方針2006」のポイントについて公明新聞のインタビューを紹介します


 政府の「骨太の方針2006」が7日に閣議決定されました。ここには、少子化対策や財政健全化、経済成長など重要課題への対応が示され、公明党の訴えも多く反映されています。今回の骨太方針のポイントや公明党の主張などについて、井上義久・党政務調査会長(衆院議員)に聞きました。





財政健全化に新たな道筋

歳出入改革と経済成長へ戦略大綱も







――骨太の方針とは、どのようなものですか。



井上 正式名称を「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」といい、中長期にわたる日本の課題や構造改革の方向性を見据えた上で、来年度予算編成を行うための指針として位置付けられています。



 骨太の方針は、小泉純一郎首相の諮問機関である経済財政諮問会議が2001年から毎年策定しており、将来の国の在り方について、政府・与党が一体となって協議し、考え方を示す重要な方針です。



――今回の特徴は。



井上 第6弾となる今回は、これまでの構造改革の成果として、90年代前半のバブル崩壊後、危機的とまでいわれた日本経済が回復基調にあることを示しています。これは、公明党が連立政権に参加し、政治が安定したことで、経済政策を切れ目なく実施できた成果ともいえます。



 その上で、「新たな日本の創生へ挑戦の10年」として、(1)成長力・競争力の強化(2)財政健全化(3)安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現――の三つの課題に取り組む姿勢を明確にしました。



 このうち、安全・安心の項目では、「働き方」の改革をはじめとする少子化対策の推進が最重要課題として位置付けられました。



 また、国と地方を合わせた債務残高は770兆円台にまで膨れ上がっており、持続可能な財政をめざし、「歳出・歳入一体改革」として、財政健全化への道筋を示すとともに、“車の両輪”である経済成長の実現へ、政府・与党が策定した「経済成長戦略大綱」を盛り込んでいます。







最大14.3兆円を歳出削減



――歳出・歳入一体改革のポイントは。



井上 目標として、11年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を達成し、10年代半ばには、公債残高をGDP(国内総生産)比で安定的に引き下げることを掲げています。



 プライマリーバランスとは、債務償還費(借金の返済)や利払費、公債金収入(新たな借金)を除いた財政収支を指し、黒字となれば、その年の税収などで行政サービスを提供することが可能になります。



 黒字化の実現に向けては、11年度の財源不足額16.5兆円のうち11.4兆―14.3兆円を歳出削減で賄うことにしました。具体的には、公務員人件費で2.6兆円、公共事業で3.9兆―5.6兆円などとしています。



 社会保障に関しては、過去5年間の改革の成果(国、地方で1.6兆円程度の伸び抑制)を踏まえ、今後も国民の負担増を最小限に抑える努力をしていきます。



 また、地方財政では、単独事業を削減するものの、地方交付税は現行の法定率(国税の中から交付税に充てる割合)を維持するとともに、一般財源の総額を確保するなど、自治体の財政運営に支障が出ないよう配慮しています。



 一方、歳出削減を徹底した上での不足分は、税制改革で補うことになります。



――経済成長には、どう取り組みますか。



井上 これまでの経済政策は、各省庁バラバラで一貫性がなかったことから、今回、経済成長戦略大綱として、政府・与党が共通の目標を掲げたことは、大きな意味があります。



 大綱では、科学技術とIT(情報技術)の革新に重点を置きつつ、地域、中小企業の活性化やアジア各国との経済連携の強化などを推進するとしており、施策の実現による飛躍的な経済成長への期待が高まっています。





「国民のための改革」を訴え



――公明党の主張は。



井上 骨太方針の策定にあたって公明党は、6月に与謝野馨・経済財政担当相に申し入れを行いました。



 ここでは、少子化の進行を踏まえ、次世代育成を国の最重点課題として取り組むよう求めたほか、防災・防犯対策をはじめとする国民の安全・安心の確保と強化、「中小企業を成長の原動力に」とした経済成長戦略の策定などを要望しました。これらの項目は、しっかりと反映されています。



 このほかにも、がん対策における緩和ケアや専門医の育成、医療の均てん化(格差是正)、ドクターヘリの活用の推進、「事業仕分け」の考え方など、公明党の主張が随所に盛り込まれました。



 一方、歳出・歳入一体改革に際して公明党は、「改革は国民のためであり、国民の視点に立ったものでなければならない」と訴え、国会自らの歳出改革や、行政の歳出削減を徹底することで、国民負担を最小限にする必要性を強調してきました。



 特に社会保障では、既に制度改革が行われている現状を考慮し、国民の負担増につながる見直しに慎重な意見を主張し続け、この結果、給付の伸びを抑制するものの、給付と負担の具体的な在り方は、国民的な議論の中で決定していくことになっています。



 また、新薬の特許権が期限切れとなったことで値段が安い後発品の使用拡大など、薬剤費の見直しも公明党の強い主張で明記されたものです。



 さらに、歳入改革でも、公明党の訴えが実り、所得格差拡大の防止のほか、(1)社会保障給付費の安定財源の確保(2)国際競争力の強化(3)少子化に対応した子育て支援策などの充実(4)地方財源の充実――に配慮した内容になりました。






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