2005年度予算政府案の内容について公明新聞のインタビューを紹介します






ムダ省き 財政悪化に歯止め




color=#000066>05年度予算案 井上政調会長に聞く
社会保障 初の20兆円突破





 




2005年度予算政府案が24日、閣議決定され、来年1月に召集される通常国会に提出されます。2010年代初頭のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化をめざし「緊縮型」予算となりましたが、今回の予算案のポイント、公明党の取り組みなどについて、井上義久政務調査会長に聞きました。



国債の新規発行4年ぶり減


――2005年度予算政府案の特徴は。


井上義久政務調査会長 厳しい財政状況から05年度も「緊縮型」となりましたが、徹底した歳出の見直しを行い、ムダを省いて歳出にメリハリをつけたことが大きな特徴です。


 聖域なき改革を進め、公共事業費3・6%減、防衛費を1%減額させたのをはじめ、政策的経費である一般歳出は04年度に比べ0.7%減って3年ぶりのマイナスとなりました。その一方で、公共事業については雇用、民間需要の拡大に予算を重点化、ムダを省き地方の自主性を高める観点から省庁の枠を超えた新交付金も創設しました。


 歳出削減と税収増により、国債の新規発行額は4年ぶりにマイナスとなりました。その結果、国家予算がどの程度国債収入に依存しているかを示す国債依存度は44.6%から41.8%と3%弱抑制されることになり、プライマリーバランスが04年度の6000億円に続き、05年度はさらに3兆円改善と、2年連続の改善で財政悪化に歯止めを掛けたことは大きな前進と思います。


――公明党は、今回の予算編成にどのような姿勢で臨みましたか。


井上 限られた枠組みの中だからこそ、真に必要な政策実現を図ることが重要であり、公明党が国民の皆さまに約束したマニフェスト(政策綱領)をどう実現するかに全力を挙げてきました。夏の概算要求づくりの段階から各省庁に申し入れを行い、政府案をまとめるギリギリの復活折衝の段階でも、与党の立場で、粘り強く訴えてきました。


 中でも災害対策拡充には力を注ぎました。04年度の補正予算案には、歳出総額の約3割に当たる約1兆4000億円が災害対策費に計上されています。今年相次いだ台風による風水害や新潟県中越地震の被災地には復興に向けた大きな後押しとなるものです。


――焦点となった国と地方の税財源を見直す三位一体の改革では地方、国との間で厳しいやり取りが展開されました。



文化庁予算も増額勝ち取る


井上 白熱した議論の中で、公明党が一貫して主張してきたのは「地方分権を強力に推進するため、国から地方へ、地方にできることは地方に」そして「地方団体の理解が得られるものに」ということです。例えば、生活保護費負担金の地方移管は問題点を解決せずして権限だけを移譲することには公明党は反対を主張し、最終的に国と地方で協議機関を設け来年秋までに結論を出すことになりました。こうした点も含め、三位一体改革の方向性については、おおむね地方団体の理解を得られる内容になったと思います。


 こうした中、地方が必要な施策を講じるために、不足する財源を補う役目を果たす地方交付税交付金の確保は必要です。このため、今年度以上の総額を確保すべきとして、地方6団体からの緊急要請をもとに公明党は財務相に直接申し入れを行いました。最終的には、きちんと所要の額を確保することができ、地方から感謝されています。


――今回の予算案で公明党の主張が反映された主な施策は。


井上 安心の少子高齢社会に備え、軒並み他分野が削減される一方で、社会保障関係費は2.9%増で初めて20兆円を超えました。このうち「健康フロンティア戦略」として、新たに日常生活圏域の介護予防拠点整備や、乳がんの早期発見に威力を発揮するマンモグラフィ(乳房X線撮影)の緊急整備が盛り込まれました。


 文化庁予算は公明党の取り組みで03年度に1000億円の大台を突破、04年度にも1016億円を付けましたが、05年度予算案では当初1000億円ぎりぎりと今年度を下回る状況でした。文化芸術立国を推進する観点からも、これについては部会をはじめ党を挙げて粘り強く交渉を重ねたところ、今年度を上回る予算額を確保することができました。この点も一つの大きな成果だったと思います。


 全体的に厳しく歳出に切り込む中で、科学技術振興費については世界でもひけを取らない日本の技術力育成に向けて今年度比2.6%増と拡充。新しい事業への挑戦や経営革新を図る企業への支援策も新たに始まります。日本の将来を担う優秀な人材輩出を支援するため、育英奨学金の貸与人数も一層拡充。有利子、無利子を合わせて貸与人員が初めて100万人を突破します。


 このほか、各地の商工会議所をはじめ地方からの強い要望を受けて、中心市街地の活性化策としてまちづくり交付金が45%増額になりました。



復活折衝で主張が全て反映


――今年は例年になく日本列島をさまざまな災害が襲いました。この対策は。


 災害対策では、補正予算で災害復旧対策を確保したことと併せ、05年度予算案でも、公共事業全体が圧縮される中、災害対策のための費用として床上浸水解消対策が10.6%増、土砂災害対策が13.5%増といずれも上乗せしています。公明党は災害に強い国づくりを強く訴えてきましたが、それが公共事業削減の中で、相当重点化されました。これも一つの大きな特徴です。


 今回の予算案では、新たに総合流域防災事業も設けられました。地方の裁量性を高めるとともに、県域を超えて効率的に治水、水害、土砂災害対策を一体化して進めようというものです。


――500億円の調整財源をめぐり、予算案の復活折衝では公明党が掲げた32項目が全て反映されました。


井上 当初“ゼロ回答”だった地方警察官3500人の増員が決まったことで、防犯対策が一層強化されます。農業の多面的機能を維持するために中山間地の直接支払い制度が継続されたほか、水産業にも同じ趣旨から離島漁業再生支援交付金として直接支払い制度が新たに始まることになりました。


 さらに公営住宅の入居者資格が緩和されます。子育て世帯を支援するため、入居収入基準を引き上げるほか、DV(ドメスティックバイオレンス=配偶者などからの暴力)被害者や、知的・精神障害者については単身入居が可能になります。



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