衆院代表質問(要旨) 2010年6月14日

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 6月14日(月) 、衆院本会議で、菅直人首相の所信表明演説に対する代表質問を行いました。要旨は次の通り。

鳩山前総理は、辞任の理由として、「普天間基地」と「政治とカネ」の二つを挙げました。確かにこれも大きな要素です。しかし、本質的な原因は、この約9カ月間にわたる鳩山内閣の政権運営の失敗に尽きると私は思います。菅総理、あなたは鳩山政権では副総理として、そして国家戦略担当大臣、財務大臣と、まさに政権運営の要にありました。9カ月間、政権運営を共に担ってきたわけで、いわゆる鳩山・小沢・菅のトロイカ体制の一人として、あなたには前政権の失政の大きな責任があります。

第一は、“成長戦略”や“財政健全化の道筋”を内閣として、示すことができなかった責任。これは極めて致命的な問題です。


第二は、昨年11月に自ら「デフレ宣言」をしておきながら、今日まで、肝心のデフレを克服するための対策を提示できなかった責任。まさに、「デフレ対策なしのデフレ宣言」です。

そして第三は、マニフェストに掲げた施策に必要な財源を、予算の組み替えやムダの削減などで、いとも簡単に捻出できると高言しながら、結局、財源なき施策を積み重ね、今年度の予算編成では、過去最悪の44兆円を超える膨大な国債を発行、借金を膨らませた責任です。

そして、「普天間基地」「政治とカネ」の問題では、副総理として、何の汗をかくこともなく、ただただ沈黙を守り、自らの責任を果たそうとされませんでした。鳩山、小沢両氏は辞任を致しましたが、総理、あなたはどう責任を取りますか、お答えください。

そもそも今の内閣は、鳩山前内閣が行き詰まった結果、“看板”を掛け替えたにすぎません。まさに参院選向けの“首相交代劇”そのものです。

菅総理、あなたはかつて、総理の首のすげ替えに対し、辞めざるを得なかった首相を支えきれなかった人にリーダーシップはないと批判をし、「政権が行き詰まったら、衆院を解散すればいいんですよ」との趣旨の発言をされました。

立場が変わると、このような言々を簡単に翻すのですか。まさに“ご都合主義”ではありませんか。

トップを代えるだけで政権を続けるのは正統性に欠けます。ましてや今回の政権のタライ回しは、まやかしのマニフェストで政権を獲得した「国民だまし政権」であり、今後、政策転換をするのであれば、国民からの新たな負託が必要なのは当然です。

鳩山前総理は、「言葉」の軽さから、国民の信頼を失いました。国民に「約束」をする。できなければ、いとも簡単に謝罪をする。しかし、「責任」は取らない。この繰り返しが、国民の政治への信頼を失墜させたのではありませんか。

総理。あなたは「言葉に責任」を持つという意味をどのようにお考えなのですか。お答えください。

政治とカネ
積極的な発言せず 不祥事を容認


まず、「政治とカネ」の問題について、伺います。

副総理だった当時、あなたは鳩山、小沢両氏の政治とカネの問題について、なぜ、国民に対し、説明責任を果たすよう助言できなかったのでしょうか。

副総理という要職だったにもかかわらず、積極的な発言がなかったということは、結果として不祥事を容認していたと言わざるを得ません。その責任をどう認識されているのか。まず、国民の前に明らかにすべきだと申し上げたい。

鳩山氏については、12億円にも上る資金の使い道や、自身の関与の有無など未解明なままです。鳩山氏は3月3日の予算委員会では、裁判が終われば「書類の返還を求めて、皆さま方に見ていただきたい」と答弁されました。

ところが、4月21日の党首討論では「資料の提出は必要ない」と前言を翻しました。総理はこうした答弁の変遷を見て、果たして説明責任が果たされたとお考えですか。

また、総理は民主党代表選の出馬会見で、小沢氏について「幹事長も国民のある種の不信を招いたことで、少なくともしばらくは静かにしていただいたほうが、本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないか」と発言されました。問題があったと認めながら静かにしろと言う。

これこそ、“疑惑隠し”以外の何ものでもありません。とりわけ「日本の政治にとってもいい」とまで言われましたが、では小沢氏の何が問題だったのか。明確にお答えください。

小沢氏については、資金の出所など、いまもって全く説明責任が果たされていません。予算委員会での集中審議はもちろん、参考人招致、証人喚問も視野に入れて、解明すべきであると考えます。クリーンと言うなら、総理は民主党の代表として、党にその実現を指示すべきです。

さらに、小沢氏の元秘書で逮捕・起訴された石川知裕衆院議員、そして北海道教職員組合から違法な企業団体献金を受け取り、選挙対策の資金管理責任者に有罪判決が下った小林千代美衆院議員、この2人に対する辞職勧告決議案も民主党の反対で宙に浮いたままです。総理、辞職勧告決議案を採決すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

それができないというのなら、菅政権は「政治とカネ」の疑惑隠し内閣と断ぜざるを得ません。明確にお答えください。

「政治とカネ」の問題では、再発防止策をしっかり作り上げなければなりません。

公明党は既に政治家の監督責任を強化する政治資金規正法改正案を国会に提出、審議に入っており、何としても今国会で成立させるべきです。総理いかがですか。さらに、企業団体献金の全面禁止についても、そのための協議機関設置の提案に対して鳩山前総理が前向きの答弁をされています。総理、再発防止策をしっかりやろうではありませんか。答弁を求めます。

事務所費問題

次に荒井国家戦略担当大臣の事務所費問題について、伺います。

公表された事務所経費の領収書によれば、漫画本、マッサージ料金、女性用の下着、トランクス、靴下などが含まれており、政治家の後援会の事務所経費としては、極めて不適切であり、私的な使用と受け止められてもやむを得ません。

新内閣がスタートしたばかりなのに、またしても「政治とカネ」の問題ですか。そして、またも疑惑隠しですか。総理、国民に納得いく説明責任を本人からさせてください。結局、鳩山政権時代の体質をそのまま引きずっているのではないでしょうか。総理、このまま国家戦略担当大臣という重要な職に引き続き据え置いていいのですか。本当に国家戦略を立てられるのですか。

本来、景気や雇用対策、待ったなしの介護問題など国民生活に直結した問題を議論すべきなのに、またこうした「政治とカネ」の問題を取り上げざるを得ないのは誠に残念です。

総理、そして、荒井国家戦略担当大臣、事務所費問題について、国民に納得がいく責任ある答弁をしてください。

与党側は、衆・参で予算委員会の開催を提案しておきながら、けさ(14日)の国会対策委員長会談で、一方的にこれを撤回し、この代表質問でこの国会を強引に閉じるという暴挙に出たことは、誠に遺憾です。

菅総理は、山積する重要課題に対し、新しい総理としてどう取り組むのか、少しでも明らかにする機会を設けるべきです。政治とカネの問題についても、再発防止策を含め、今国会で決着を図るべきです。それとも荒井大臣の事務所費問題を含め、ボロを出したくないということでしょうか。われわれは堂々と論戦を挑んでまいる決意です。総理、逃げてはいけません。国民のためにきちんと議論をしようではありませんか。

それとも、争点を明確にして、国民の審判を受ける自信がないのですか。そうでないなら、総理は党代表として、予算委員会を開催するよう、指導力を発揮すべきです。ご答弁いただきたい。

普天間基地移設
県民の心踏みにじった民主政権


次に、普天間基地移設問題について、お伺いします。

鳩山前政権の失政により、地元沖縄県の皆さまの心は踏みにじられ、今や民意は期待から怒りへと変わり、解決ヘの道のりは、より困難なものとなってしまいました。その責任は重大です。

菅内閣は引き続き、日米共同声明を順守するとしていますが、8月末までに代替施設の位置、配置および工法に関する検討は、本当に完了できるのでしょうか。

普天間基地の危険性の除去と地元の皆さまの信頼を回復するために、総理はどのような努力をされるのでしょうか。今や「普天間協議会」という地元と緊密に協議を重ねてきた受け皿も事実上、機能停止しております。

沖縄県民の頭越しではなく、丁寧な協議が不可欠です。総理はこの問題へどのように対処されるのですか。所信表明では具体的な言及が全くありませんでした。お答えください。

一方、総理がかつて民主党の幹事長であった2001年の参院選の際、応援に訪れた沖縄で、沖縄駐留の米海兵隊について、「即座にアメリカの領域内に戻ってもらっていいんじゃないか」「民主党が政権を取った時は、アメリカに提示する」と、海兵隊不要論の発言をされました。この考えを今も堅持されているのですか。

それとも鳩山前総理と同じように最近「抑止力」の必要を学ばれて方針を変えたのですか。お答えください。

景気・経済
スローガンにおぼれ具体策なし


景気経済政策に関して、質問いたします。

まずは、2010年度予算。「歳出を抜本的に組み替える」という意気込みもむなしく、事業仕分けで生み出せた財源はごくわずか。また、一時的な財源である、いわゆる埋蔵金をかき集めても、「マニフェスト至上主義」で大幅に膨らんだ歳出の財源を十分に確保できず、結局は、国の税収を大きく上回る44兆円を超える巨額の借金をつくる結果になりました。

国民との約束を裏切ったマニフェスト違反の数々も問題です。

ガソリン税などの暫定税率の廃止。当時の小沢幹事長の“鶴の一声”で、あっさり撤回されました。

高校生の特定扶養控除。マニフェストで「維持」すると明言したものの、「縮減」されました。15歳以下の年少扶養控除も国税だけのはずが地方税も廃止。いずれも明白な公約違反です。

さらには、高速道路の無料化についても、これまた小沢前幹事長の“鶴の一声”で、その財源の一部が高速道路建設に充てられることとなり、方針も大幅に後退。

「一律2000円」という多くの国民にとって負担増となる案も、民主党内からの反乱に遭って、これまた頓挫。あまりにもぶざまな混乱ぶりではありませんか。

数え上げればキリがありません。その原因は、突き詰めれば「選挙目当て」の無責任な民主党マニフェストそのものにあるのではありませんか。私は、鳩山前内閣は、「国民だまし政権」であったと、総括するものであります。

菅総理。鳩山前総理の後を引き継いだあなたが、まずなすべきことは、これらの公約違反について総括をし、その上で、国民に対し、その事実を率直にお詫びすることなのではありませんか。

民主党政権における数々の公約違反について、総理の認識を伺います。

以下、総理の経済政策の基本的な考え方について、端的に質問いたします。

はじめに、当面の景気・経済についてです。

足元の景気は、昨年の私たちの政権によって実施・継続されたエコカー減税・補助金、家電エコポイントなどの景気対策の効果、および中国など新興国向けの輸出に支えられ、最悪期は脱したものと認識をしております。

しかし、雇用情勢は依然として厳しく、地方では「仕事がない」との声が充満しております。ギリシャの財政危機に端を発した国際金融の混乱も続いており、なお、景気には十分な目配りが必要と考えます。

ところで、連立パートナーである国民新党は、11兆円規模の補正予算の編成を提案していますが、総理はどう評価しておられますか。今後、追加的な景気対策を打つことの必要性を含め、総理の考えをお聞かせ願いたい。

民主党は「コンクリートから人へ」として、公共投資を大幅に削減しました。しかし、公共事業はすべて悪なのでしょうか。

私はそうは考えません。学校など公共施設の耐震化や太陽光発電装置の設置、さらには介護施設の拡充などは緊急の課題です。また、橋梁やトンネル、上下水道など老朽化した施設の計画的な更新・大規模な修繕も生活の安全に欠かせません。私は、真に必要とされる「21世紀型の公共投資」は着実に整備していくべきであり、「人に優しいコンクリート」という考え方こそがめざすべき方向であると考えますが、総理いかがですか。

併せて、報道によれば「コンクリートから人へ」のフレーズは、民主党のマニフェストから削除されるとのことですが、事実かどうかも含め、総理の答弁を求めます。

公明党は、鳩山前総理に対し、2010年度当初予算で、大幅に削減された学校の耐震化など、子どもの命を守るための予算の復活を求めてきました。そして、鳩山前総理から予備費を活用して、国会閉会後に着実に支出・執行する旨の確約を得ました。

菅内閣でも当然この方針を受け継ぎ、速やかに執行されると確信していますが、総理の明確な答弁を求めます。

所信表明演説で、菅総理は、「経済、財政、社会保障の一体的立て直し」を強調されました。

公明党も、雇用の安定確保を基軸とした安心の社会保障・福祉の確立こそが、日本の経済成長の基盤である。併せて、成長戦略による民需主導の経済成長の達成、そして、財政健全化が重要であると考えています。

何よりも大事なことは、スローガンにおぼれることなく、その具体化こそが重要です。しかし、残念ながら、演説では、「強い社会保障」と高らかに謳い上げる割には、年金改革をどうするのか、医療も、介護もどう立て直すのか、全くその具体的中身が示されていないではありませんか。

当面の景気回復をどうするのか、それを成長戦略にどうつなげていくのか、その上で、財政や社会保障の立て直しをどう進めていくのか、さらには一体的立て直しの考え方と具体的な工程表・道筋を示すべきです。総理の答弁を求めます。

さて、近々、政府は「新成長戦略」「中期財政フレーム」さらには中長期の財政健全化の道筋を示す「財政運営戦略」などを取りまとめるとのことですが、今の段階で、これらの具体的な内容について質問ができないことは、誠に残念であります。

その上で、3点指摘したい。

そもそも取りまとめが遅すぎます。これが第1の問題です。

約9カ月にわたり、政権内で真剣な議論がなされてきた形跡が見えません。これまで民主党が強く批判してきた「官僚主導」の作文になってしまうのではないかとの懸念があります。これが第2の問題。

さらには、民主党と国民新党との間で合意がつくれるのかどうか、これが第3の問題であります。

いずれにしても、「脱・官僚」「政治主導」による整合性、説得性、そして実現性のある将来ビジョンが示されるのかどうか、具体性に乏しい場合には、国内だけでなく国外を含め、市場から“レッドカード”を突き付けられる可能性も否定できません。総理の答弁を求めます。

総理は、マクロ経済運営の基本的な認識として、「増税しても使い道を間違わなければ、景気は良くなる」との考え方を述べられています。

そして、就任直後の会見では、かつての政権はムダな空港や公共投資など、「使い道」が間違っていたのだと言われました。

歳出のムダをなくすことは重要です。しかし、それは「増税しても使い道を間違わなければ、景気は良くなる」ことの説明にはなっておりません。

一般的に「増税」は短期的に景気の下押し圧力につながるというのが、私の理解するところであります。また、間違いのない使い道、すなわち「賢い使い道」を、政府ができるという担保はどこにあるのでしょうか。総理の言われる「第三の道」との関係などを含めて、総理の経済理論を具体的に説明してください。

関連して、ムダな空港と指摘された地方空港はどうされるつもりか、廃港も考えているのでしょうか。さらには、八ッ場ダムの中止方針は変わりませんか。

総理の見解を求めます。

そもそも総理は、消費税について「逆立ちしても鼻血が出ないほどムダをなくしてから議論する」と言われておりました。さらに言えば、民主党は、予算全体を見直せば、10兆円単位で財源が生み出せるとしていたことからすれば、何たる豹変ぶりでしょうか。

総理。あなたは、完全に「消費税増税」に舵を切ったと認識してよろしいのでしょうか。さらに、鳩山前総理の方針は間違いであったということなのでしょうか。

また、消費税は衆院の任期、すなわち今後3年の間に増税するのですか。そして、間もなく取りまとめられる「財政運営戦略」には、消費税について、どう明記されるのか、答弁を求めます。

口蹄疫問題
最悪の被害の原因は政府の後手


さて、わずか1日、しかも野党の質問を打ち切って行った、前代未聞、異常なまでの強行採決により、無理やり衆院を通過させた郵政改革逆行法案は、廃案と決まりました。数におごった政府・与党の横暴の極みであり、当然の結果であります。

そもそも、この郵政改革逆行法案なるものは、全くのデタラメ、噴飯ものであります。政府関与を残したままでの郵貯の貯金限度額の引き上げや永久に政府が関与し続ける余地を残した簡保の存続など、これはまさに、“民業圧迫”“中小企業いじめ”そのものではありませんか。到底認めることはできません。

4年前の郵政改革論議の際、郵貯の貯金限度額を500万円まで引き下げ、簡保も廃止することで資金を「官から民へ」流すとしていたのは、一体どこの党でしょうか。あなたがた民主党ではありませんか。

この法案に対しては、国内にとどまらず、米国や EUなどからも懸念が寄せられています。当たり前です。経済のイロハが分かっていれば市場経済を無視して民業を圧迫する、こんな、平成の世の中を明治時代に戻すような、あまりにも愚かな法案をごり押しできようはずはありません。

自らの主張を百八十度ねじ曲げてまで、この法案を押し通そうとした本当の意図は、連立維持、選挙目当てそのものではないですか。

公明党は、今後も、民意を全く無視し、海外からも笑われるような“経済オンチ”の郵政改革逆行法案を断じて通すわけにはまいりません。

総理、郵政改革逆行法案の成立を今こそキッパリと断念すべきです。答弁を求めます。 次に、口蹄疫対策について、まずは、日夜、不眠不休で対策に当たられている畜産農家をはじめ、関係者の皆さまに心より敬意とお見舞いを申し上げます。

宮崎県における口蹄疫は、終息の願いをよそに、川南町から約50キロメートルも離れた都城市に拡大し、隣接する鹿児島県も不安にさらされています。防疫体制に甘さがあったと指摘せざるを得ません。まだまだ予断を許さぬ状況が続いています。いま一度、危機管理体制の見直しをすべきではないでしょうか。飼料の運搬など関係車両の消毒を徹底するとともに、「感染経路」の究明に総力を挙げ、根本的な防疫対策を取るべきです。

口蹄疫の感染例が確認されてから7週間、史上最悪の被害をもたらしている原因は、対策が後手後手になった政府の責任であると言わざるを得ません。

しかも政府は、公明党と自民党がさらなる対策強化に向け、特別措置法を作成している間、傍観していただけで、現場の悲痛な叫びを受け止め、迅速に行動しなかったことは周知の事実です。

公明党は、今回の口蹄疫対策では、直ちに対策本部を、党本部ならびに宮崎県本部に設置をし、国会議員を派遣し、地方議員と連携して繰り返し視察・調査を行い、現場からの要望に基づいて特別措置法を提案し、各党の協力を得て、わずか2日で成立させました。

これが政治に求められるスピードです。さらに、いち早く1000億円規模の支援を訴え、特別措置法にも反映させました。

今回の口蹄疫対策について、当時の菅副総理は一体何をされたのでしょうか。宮崎県は補正予算を直ちに組みました。

また、経済損失が800億円を超えるという試算があった状況の中で、当時の菅財務大臣が対応したのは、わずか96億円の予備費だけでした。しかも発生から6週間もたってのことであり、全くの期待はずれでした。「政治主導」といいながら、実質何もしなかった政府の責任は重大です。

この国家の危機ともいえる口蹄疫問題の影響は、畜産関連業界だけでなく、運送業など多業種に及んでいることから、畜産農家をはじめ食肉加工業、飲食店業、サービス業、製造業などあらゆる産業への影響を考え、フォローアップを急ぐべきです。

総理の答弁を求めます。

公明党の新しい福祉
ヒューマンケアや生活・雇用保障を提案


民主党が公約した、年金制度の一元化、最低保障年金、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止は、一体どうなったのでしょうか。この9カ月間、何ら進展がありません。結局、実行できないデタラメな公約であったことが白日の下にさらされました。

一方で、高齢化に伴う年金・医療・介護費用の増大、不安定な就労の増加、都市化や核家族化の進行など、国民生活を取り巻く環境が大きく変化し、これまでの社会保障制度や企業や地域、家族の力が十分に機能しなくなっております。

こうした問題に加え、うつ病等の精神疾患、児童虐待やDV(ドメスティックバイオレンス)、不登校や引きこもり、さらには自殺や高齢者の孤独死など、新たなリスク(危険)が次々と現れ、その対策が求められています。そこで、公明党はこれらの新しいリスクにも対応できる従来の枠組みを超えた「新しい福祉」を提案します。

第1の柱は「新しい生活保障」です。年金・医療・介護の充実に加え、生活の基盤である住宅の確保、子育て支援など新しい生活保障で安定した生活実現をめざしています。低年金対策では、年金加算制度の創設や受給資格期間の短縮。高額療養費制度については、上限額の引き下げや、二つ以上の医療機関にかかっても合算できるよう見直すべきです。救命率向上への緊急医療体制の強化が必要です。

わが党が「介護総点検」を基に取りまとめた、施設の整備拡充や在宅支援を柱とする「新・介護公明ビジョン」の実現を政府に強く求めます。

特にビジョンでは、3年間、介護保険を使わなかった高齢者に介護保険料などを軽減する「ポイントシステム」が注目されています。さらに、住宅困窮者に低家賃の住宅を提供するセーフティーネット住宅100万戸の整備、生活・子育て支援策として「給付つき税額控除の導入」を提案しています。

第2 の柱は「新しい雇用保障」です。安定した生活を実現するには、雇用を軸とした大胆な施策の展開が重要です。

雇用保険の対象とならない失業者への職業訓練とその間の生活を保障する第2のセーフティーネットの構築や正規雇用を推進する中小企業への支援など、新しい雇用保障システムで安定した雇用の実現をめざしています。新卒の未就職者対策も急務です。卒業後3年間は「新卒」扱いとして就職活動に挑めるよう条件緩和すべきです。中長期的な取り組みとしては、学校教育の中で、職業教育に力を注ぐことを提案します。

第3の柱は「新しいヒューマンケア」です。急増するうつ病や不安障がい、DVなど、心の病を克服し、社会復帰できる体制を強化すべきです。また、独居老人、介護、子育てなどを地域で支える体制の確立など、「新しいヒューマンケア」で、人に優しい政治をめざしています。

具体的には、行政と民間が連携し、独居老人への買い物支援や宅配、見守りサービス、介護支援ボランティアの普及。児童虐待やDVの対策強化として、家庭訪問方式での相談支援事業や民間シェルターの拡充など、きめ細かな支援体制を充実すべきであります。

以上、公明党が提案する「新しい福祉」の考え方と、ただ今提示をした具体的な政策について、総理の見解を伺います。

農業について伺います。

戸別所得補償制度については、「担い手対策や地域の自主性が担保されていない」などの問題点が指摘されていますが、対応策は示されないままです。

農業政策については、担い手像を明確にし、地域の主体的判断を尊重した対策へと見直すべきです。

公明党は水田農業について、3階建ての経営セーフティーネットを提案します。つまり、再生産を下支えする直接支払いと、「農」の多面的機能を評価した環境直接支払いの拡充、加えて認定農業者等への経営安定対策の強化であります。

特に経営安定対策については、生産費の算定基準を、地域ごとの再生産価格に見直すことです。環境支払いを中核に据えた持続可能な農業を展開すべきです。

次に、水産業の再生について、伺います。

特に、水産資源の回復と生産力の向上を促進するために、魚の産卵場所を確保する「フロンティア漁場」の整備は急務です。

一方、海洋資源を生かす総合的な政策を進め「海洋立国」日本をめざすことも重要です。資源の利用促進やエネルギー開発を含めた政府としての中長期の展望を示すべきです。

最後に、林業について伺います。

木材産業、住宅産業など川下対策を重視し、生産地や生産者が明らかな国産木材や、森林認証の普及と認証を受けた木材の利用を確実に拡大していくべきです。

以上、当面する重要政治政策課題および、わが党の政策提案を中心に言及してまいりました。公明党は、わが国、日本の希望ある未来を切り開くために全力を挙げてまいることをお誓いして、私の質問を終わります。

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