衆議院予算委員会「高額療養費制度」議事録(抜粋)


平成十六年十月十八日(月曜日)


○井上(義)委員 次に、高額療養費の問題についてお伺いしたいと思います。

 御案内のように、高額療養費は、医療機関の窓口で一部負担金を支払った後、自己負担額を超える部分について三カ月から四カ月後に保険者から払い戻されるシステムでございますけれども、一たん窓口で高額の支払いを求められることになるものですから、支払いが大変だという声が大変多いわけでございます。

 具体的な例を申し上げますと、総理、厚生労働大臣をおやりでしたからよく御存じと思いますけれども、まず、被用者本人、これは三割負担でございますけれども、例えば医療費が月百万円かかった、そうすると窓口で三割ですから三十万円負担をする、実際に自己負担限度額が八万円でございますから、高額療養費として三カ月から四カ月後に二十二万円が戻ってくる、ところが窓口で一回三十万払わなきゃいけない、こういうことになっているわけです。

 それからもう一点、これは私の友人のケースなんですけれども、奥さんが心筋梗塞で二週間入院した。やはり三割負担で、窓口で六十万円支払いをしなければいけなかった。実際の自己負担額は二十万円だったそうでございまして、高額療養費として四十万円三カ月後に戻ってきた、こういう仕組みになっているわけでございます。

 要するに、一時的にしても高額の医療費を窓口で求められるために、お金を工面するために、例えばひとり身の人が、退院後、ふらふらの体で親戚じゅうを走り回ってお金を集めてきたとか、友達に借り回ったとかいうケースが多々あるわけでございます。

 それから、貸付制度というのもあるんですけれども、この貸付制度も、例えば国民健康保険、すべての自治体でやっているわけでもない。それから、特に組合健保に至っては、四割弱の組合しかそういう貸付制度をやってない。要するに、どうせ戻ってくる、そのための保険じゃないか、どうせお金が戻ってくるのにこんな苦労をしなきゃいけないんだ、いざというときのための健康保険じゃないか、重い病気になったときに安心して医療を受けられるのが健康保険じゃないか、何でこんな面倒くさいことをしなきゃいけないんだというのが、そういう声が非常に多いわけです。

 このことについて、総理どのように、御感想をちょっとお伺いしたいんですけれども。



○小泉内閣総理大臣 高額療養費負担、一定の上限がありますが、今御指摘の、三割にしても、百万、二百万という医療費がかかると三割でもかなりの額に達する、これについて手続が煩雑だという御指摘、受けております。

 このような点、もっと患者側の、今言われている苦情に対してどういう改善措置が可能かと検討しているところでありまして、厚労大臣を中心に、今御指摘の点についてもどういう対応があるか、今後検討していきたいと思っております。



○井上(義)委員 私は、こういうことは、要するに、いざというときのための健康保険、日ごろはいいんですよ。重い病気にかかったときに、一定のお金で治療がきちっと受けられるというのがやはり安心の医療保険制度だと思うわけです。

 そういう意味で、窓口における患者負担というのは自己負担限度額のみで、それ以上の金額については立てかえる必要がない、こういう仕組みに私は抜本改革を図るべきではないかと思います。そうでないと、いざ重い病気になったときに安心して医療を受けられる、そういう保険制度の意味をなさないんじゃないか、何のために日ごろ保険料を払っているのかということになると思うわけでございまして、このことについて、厚生労働省として、今総理からもお話がございました、抜本的に検討すべきだと思いますけれども、厚生労働大臣、どうでしょうか。



○尾辻国務大臣 この件につきましては私も陳情の側に回ったことがございます。したがいまして、先生御指摘のような事情についてはよく承知をしております。総理からもただいま御指示もございましたから、どういう工夫ができるか、私ども、最大限の今後努力を重ねて工夫をしてみたい、こういうふうに思います。

 ただ、ちょっと理屈を言うようですが、最初から高額医療になるというのがわかっているケースは先生が今おっしゃるような方法もとれますが、ずっと積み重ねていって途中で超えるというようなケースもありますので、そんなところまで含めていろいろ検討してみたい、こういうふうに思っております。



○井上(義)委員 ぜひ、総理からも御指示がございましたし、厚生労働大臣からも今前向きの答弁がございました。国民に目に見える形で、窓口で本人の負担分を払えればいい、こういう仕組みにぜひ改めていただきたい、できるだけ早くこの結論を出していただきたいということを重ねて要望申し上げます。

 あわせて、この抜本改革がなされるまでの間、多少時間もかかると思いますけれども、やはり負担に苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけでございまして、当面、この貸付制度、これは、ある自治体もあればない自治体もある、あるいは健康保険組合によっては四割しかないということですから、少なくともこの貸付制度を拡充する、あるいは、もう少し使い勝手がいいように、そんなに煩雑な手続をしなくもいいように改善をする。特に低所得者の皆さんに対する配慮というものをまず当面の措置としてぜひやっていただきたい、こう思うんですけれども、この点、重ねてお伺いします。



○尾辻国務大臣 貸付制度につきましては、御指摘のように、まず拡充しなきゃいかぬと思っております。それから、使い勝手のいいものにしなきゃいかぬと思っております。

 それからもう一点、よく御存じでない方もおられますから、そういうPRにも努めていきたい、こういうふうに思います。

 いずれにいたしましても、全力でやらせていただきます。



○井上(義)委員 いずれにしても、ただいまの抜本改革、これについては、尾辻厚生労働大臣、年度を切ってやっていただきたいということで、改めて、いつまでに結論が出せるかということも重ねてもう一回お伺いしたいと思います。



○甘利委員長 尾辻大臣、簡潔に。



○尾辻国務大臣 今直ちにいつまでというお約束はできませんが、なるべく早くということはまじめに申し上げたいと存じます。



○井上(義)委員 以上で終わります。






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