幹事長報告(要旨) ― 第8回公明党全国大会(2010年10月2日) ―

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Ⅰ 現下の政治情勢

円高・株安、日中関係など深刻な課題に直面

山口代表の指名を受け、皆さまの承認を賜り、幹事長の重責を引き続き務めさせていただくことになりました。本日よりは決意新たに、山口代表と心を合わせ、まず来年春の統一地方選挙の全員当選に向けて党勢拡大の大波を起こすべく、私自身、先頭に立って全力で闘ってまいりますので、よろしくお願い致します。

民主党政権は1年が経過しましたが、鳩山政権は「政治とカネ」、普天間基地移転問題などで行き詰まり、わずか8カ月余りで政権を放り出しました。続く菅政権は、参院選や民主党代表選への対応に追われ、実に3カ月間にわたり、積極的な政権運営を行わず、その間の政治空白は、わが国の景気・経済、外交・安全保障に大きな影響を与えています。

また民主党は、マニフェストで掲げた政策についても国民との約束を果たしていません。それどころか、修正を余儀なくされるという実態で、民主党政権は、総選挙で期待された民意とは違う方向に向かっていると言わざるを得ません。

さらに、口蹄疫問題で明らかになったように、現場の声に極めて鈍感で、しかも、具体的な手立てが進められませんでした。一方、公明党は、国会議員と地方議員が直ちに連携して現場を回り、救済のための特別措置法をいち早く国会に提出、各党の協力を得て、瞬く間に成立させました。

先の民主党代表選では、相変わらず、外交・安全保障など重要政策の党内コンセンサスができていないことが露呈し、マニフェストでうたった財源確保や政治主導などをめぐって、昨年夏に問われたことを、もう一回蒸し返し、党内を二分する争点となるありさまでした。

菅氏が続投となりましたが、菅改造内閣や民主党の新役員人事の顔ぶれ、言動を見ていると、到底、挙党一致の姿を表しているとは思えず、これからの政権運営について、内閣の「政治主導」がどこまで発揮できるか極めて疑問があります。

こうした民主党政権に対し、「本当に政権を担っている自覚があるのか!」「日本をどういう方向に向かわせようとしているのか」と、多くの国民は不満と不安を持っていると思います。

現在、わが国は円高・株安の急進展やデフレ不況、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に端を発した日中関係の悪化など、極めて深刻な課題に直面しています。代表選直後、政府・日銀はやっと円高阻止へ市場介入しましたが、経済界からは「遅きに失した」と冷ややかな声が上がる始末です。菅改造内閣は、こうした喫緊の問題解決に全力を挙げるべきです。

Ⅱ 公明党のスタンス

国民生活守る「闘う野党」貫く

迷走する民主党政権に対して、公明党は徹して国民生活の現場の声を真剣に受け止め、野党の立場から、民主党政権に毅然と対応してきました。特に菅政権が生み出した政治空白の3カ月間は、機能停止する政府の姿勢を厳しくただすとともに、積極的に政策提言をしてきました。その一つが最優先課題の経済への対応であり、最も疲弊が著しい地域や中小企業への支援を盛り込んだ「緊急経済対策」を策定し、早期実施を迫ってきました。

国民の生活や命にかかわる分野では、深刻なうつ病への対策として認知行動療法の普及・啓発を訴え、酷暑による熱中症の死者が急増する現状を踏まえた猛暑対策、100歳以上の高齢者の所在不明問題などに懸命に取り組んできました。そして現場に入らない、現場を知らない、現場の気持ちが分からない民主党政権に、公明党は現場の声を示し、国民が求める政策を提示してきました。

こうした取り組みに一貫して貫かれている公明党の姿勢は「闘う野党」であります。今後も、公明党は民主党政権の迷走を厳しくただしていくとともに、国民生活を守るため、政策・ビジョンを積極的に提案し、その実現をめざし闘っていきます。

政策実現のためには他の野党にも共同提案を働き掛ける。必要があれば与党にも協議を呼び掛けて実現を迫ってまいりたい。特に現在、公明党は国民の安心を確保するために、党内で社会保障ビジョンの年内取りまとめを進めています。年金・医療・介護・子育ての分野について、負担と給付を含め、トータルに構想を提案したいと考えており、与野党各党に社会保障に関する協議会の設置を呼び掛けてまいりたい。

「大衆とともに」の立党精神に立脚する公明党は、一人一人の生命・生活・生存を最大限に尊重する人間主義、中道主義の立場から、第三勢力の中軸として、どこまでも「国民生活、国益をどう守るか」を判断基準に対応していくことを確認しておきたいと思います。

特に「国民生活を守る」という一点で、一つの法律や制度をつくることが、一人一人の国民生活に及ぼす影響について、公明党が最も敏感な政党でなければなりません。法案への対応を判断する時には、地域で一生懸命にまじめに働き、生活している一人一人の顔が見え、声が聞こえている――この視点を決して忘れてはならないと考えます。

どこまでも一人の人間に光を当てる政治こそ、公明党が庶民の党である証しであり、そのためにも、今後とも、さらに地方議員団会議や方面政策責任者会議などを通じて地方議員の皆さんと連携を強化しながら、一つ一つ丁寧に政策判断をしてまいりたい。

Ⅲ 臨時国会の対応

最優先すべき景気・経済対策

さて、臨時国会が1日、召集されました。この臨時国会で、最優先すべきは、言うまでもなく景気・経済対策の断行です。菅政権が招いた政治空白の間、急激な円高・株安が進行し輸出関連企業や中小企業経営者から悲鳴が上がり、国民生活は危機にさらされています。

菅首相は補正予算案の編成に当たって、野党と協議する姿勢を示しましたが、公明党は既に「緊急経済対策」を提案しており、これを政府は速やかに受け入れ、景気・経済対策を実行すべきであります。協議を呼びかける前に、予算編成の専権を持つ政府が内容、規模、財源等を明確に示すべきではないかと指摘しておきたい。併せて、デフレ脱却に向けた中長期の経済運営の基本方針についても示すべきです。

さらに外交問題も優先すべき課題です。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日中関係はきしみ、日米間においても米軍普天間基地移転問題の進展にメドが立っていません。その戦略性のない、見通しの甘い民主党外交を厳しくただしてまいりたい。

次に、「政治とカネ」の問題ですが、これまで公明党は、関係する議員らが国会で説明責任を果たすよう求めてきました。しかし、説明は全く不十分で、民主党も何ら誠意ある対応を取ろうとはしていません。

再発防止の対応策についても、与党は全く積極的ではありません。公明党は「秘書がやった」との政治家の言い逃れを許さない、政治家の秘書に対する監督責任を強化する「政治資金規正法改正案」を国会に提出し、その速やかな実現を求めてきましたが、与党は衆院特別委員会で継続審議とし、放置したままです。

民主党代表選で、菅首相は「クリーンな民主党に」と強調しており、それならば、この臨時国会で、公明党が提出した政規法改正案を直ちに受け入れ、成立させるべきです。併せて、企業・団体献金の全面禁止も実現させるべきであります。

さらに、現在、月割りで支給されている歳費を日割り支給に変更させるため、公明党が先の臨時国会に提出した国会議員歳費の「日割り支給法案」を成立させるべきです。8月の臨時国会で、公明党が「国会議員が歳出削減の先頭に立ち、自ら身を削るべき」と議論を主導した結果、与野党合意に基づき、7月の参院選で初当選した議員と返り咲いた議員の歳費について、日割り計算して当選前の25日分に当たる歳費を自主返納できる特例措置が実現、実施されました。これと併せて、「次国会で国会議員歳費の日割り支給へ歳費法を抜本的に改正する」ことで合意しており、臨時国会で何としても実現させたい。

また、公明党が5月に提出したものの、その後、審議未了で廃案にされた「子宮頸がん予防法案」については、与野党各党に賛同を呼び掛け、共同提出し、ぜひとも成立できるよう、強力に取り組んでまいります。

この若い女性に急増している子宮頸がんは、ワクチン接種と検診で予防がほぼ100%可能ながんです。これまで、公明党は女性委員会を中心に予防対策に全力を挙げ、ワクチンの早期承認が実現し、ワクチン接種への公費助成や検診の無料クーポンなども不十分ながら進んでいます。こうした予防策の恒久的な事業化をめざす予防法案の臨時国会での成立をめざしていきたい。

Ⅳ 統一地方選の特徴と取組み

全員当選へ猛然と党勢拡大

今回の統一地方選は、公明党議員の約6割(約57%)が一斉に改選される明年最大の政治決戦であり、ネットワーク政党・公明党の基盤をつくる最重要の戦いです。公明党は過去2回の統一地方選で、連続して完全勝利を果たしましたが、今回は野党として臨む選挙であり、その上、「ねじれ国会」で流動的な政治状況の中で行われます。

公明党は44道府県議会、17政令市議会はじめ全国市区町村議会で、1700人を超す候補者を擁立する予定です。今回の統一地方選の大きな特徴は、民主党やみんなの党、地域政党の動きで情勢が一変している選挙区が多いということです。特に、選挙区定数が少ない道府県議選や政令市議選では、これまでの選挙とは情勢が大きく変わり、公明党はかつてない厳しさに直面しつつあります。

地方議員の役割は重要

わが国の地方自治は、住民が自治体の首長と地方議会の議員を直接選挙で選ぶ「二元代表制」です。首長と議会は、ともに住民の代表として対等の立場で、それぞれの権限を行使しながら、住民のための政治の実現を競争するのが、その本来の在り方です。

従って、地方議員は、首長や行政の執行を監視するとともに、地域住民の生の声に触れ、それを集約して政策として行政に提案し、実現させるという重要な役割があります。

一部に、二元代表制見直し、首長の権限を強めようとの動きもありますが、今後、地域主権の時代を迎える中で、首長と議会がいい意味での競争的な緊張関係で、住民のための政策形成を進めていくことが重要です。こうした地方自治の持つ意義や地方議会の役割について、住民の理解を得られるように、ムダ削減など行政の改革と同時に、費用弁償や政務調査費の在り方など議会側の改革についても、住民目線で公明党は先駆けて取り組んでまいりたい。

地方議員の重要性はますます増しており、公明党は地域発展に責任を持つため、その地域に応じた、地域を元気にする「地域重点政策」を提示していくことを提案します。

今回の統一地方選は、公明党議員の約6割(約57%)が一斉に改選される明年最大の政治決戦であり、ネットワーク政党・公明党の基盤をつくる最重要の戦いです。公明党は過去2回の統一地方選で、連続して完全勝利を果たしましたが、今回は野党として臨む選挙であり、その上、「ねじれ国会」で流動的な政治状況の中で行われます。

公明党は44道府県議会、17政令市議会はじめ全国市区町村議会で、1700人を超す候補者を擁立する予定です。今回の統一地方選の大きな特徴は、民主党やみんなの党、地域政党の動きで情勢が一変している選挙区が多いということです。特に、選挙区定数が少ない道府県議選や政令市議選では、これまでの選挙とは情勢が大きく変わり、公明党はかつてない厳しさに直面しつつあります。

全議員が総決起を

公明党にとって全議員のチームワークが一番の強みであり、その基盤は、国民の生活現場と密接にかかわる地方議会にあります。そこに足場があることが「庶民の党」公明党の公明党たるゆえんです。国民の声を聞き集約し、政策に反映、問題を解決していく――統一地方選では、このことに、どの政党が、どの候補者が一番熱心なのかが問われます。その意味で公明党のネットワークは、どの党にも負けないと思いますが、いかがでしょうか。

今回の統一地方選、国民生活を守るため、どんな状況であろうと全員当選を勝ち取らねばなりません。そのためには、議員が率先して支持者づくりに挑む「マイ拡大運動」や、「ネット選挙」に対応した発信力の強化など、これまで以上に積極的に地域に開いた活動を展開し、ネットワークをパワーアップしていかなければなりません。

さあ、本日よりは、全議員、全候補者が結束し、統一地方選完勝めざし、党勢拡大に猛然と立ち上がろうではありませんか。



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