山口那津男代表のあいさつ(全文) ― 第8回公明党全国大会(2010年10月2日) ―

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10月2日の党全国大会で再任された山口那津男代表のあいさつは次の通り。

ただいま皆さまのご信任を賜り、再び公明党代表の重責を務めさせていただくことになりました。責任の重さに身の引き締まる思いです。

永遠に変わることのない不滅の原点、公明党の魂である「大衆とともに」の立党精神をさらに深く胸に刻み、党員、支持者の皆さま、国民の皆さまのご期待にお応えするため全身全霊で党勢拡大に力を尽くしてまいります。これまでのご指導、ご鞭撻に心から感謝を申し上げますとともに、何とぞ皆さまのご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


昨年9月の臨時全国代表者会議で新代表に選出され1年がたちました。私は、就任あいさつで「現場第一に動き、語る」ことをお約束し、きょうまで47都道府県すべてを回り、議員総会や党員懇談会などを通じて皆さまと対話させていただきました。この夏には参院選比例区で全国一の拡大をされた沖縄の離島地域を訪問させていただき、ひたむきに党勢拡大に奮闘されている姿を目の当たりにし、胸が熱くなりました。

また、私は、行く先々で国民生活の現場を回り、地域経済の疲弊、雇用そして国民生活の厳しさを目の当たりにしてきました。今や非正規雇用が働く人の3分の1 を占め、年収100万円から200万円台半ばまでの低所得層が増えています。福祉の現場では、要介護の単身高齢者や老老介護の増加が深刻な問題になっています。

国民生活を守るため、地域の暮らしを守るため、今こそ公明党は闘わなければなりません。われわれが統一地方選の勝利をめざすのは、勝って国民生活を守るためであります。

公明党は、先の参院選挙で第三勢力の中で最も安定した中軸として存分に存在感を発揮してほしい、との期待を国民の皆さまから託されました。地域の生活現場に根差した3000人を超える地方議員と国会議員のネットワークを持ち、多様化した民意を集約できる政党、それが公明党であります。

衆参両院で多数派が異なるねじれ国会においても、公明党は野党として国民生活と国益を守るため徹底して議論を尽くし、何が国民のためになるかとの政策判断で政治をリードしてまいりたい。改めて、こう決意しているところでございます。

さて、昨日(1日)の衆参本会議の所信表明演説で、菅直人首相は自らの内閣を「有言実行内閣」と位置付けました。しかし、今臨時国会で最大の焦点である2010年度補正予算の編成に関して、規模、内容、財源を全く明らかにできませんでした。

「実行」すべき「有言」の中身がなくて、何が「有言実行」でありましょうか。景気悪化を防ぎ国民生活を守るという補正予算の重要性を理解しているのであれば、補正の詳細を既に明示しているはずであります。国会論戦を通じて、緊張感のない菅内閣の経済財政運営を徹底してただしてまいります。

本大会は、来年4月の統一地方選挙に向けて力強くスタートを切る「出陣の大会」であります。公明党にとってかつてない厳しい戦いとなるのは必至でありますが、何としても全員当選を勝ち取り、国民生活を守るため新たな前進を開始していこうではありませんか。

経済、福祉の長期ビジョン
深刻化する国民の先行き不安

さて、世界を震撼させたリーマン・ショックから2年が経過しました。世界経済は危機的な状況を脱したものの、欧米諸国や中国の経済成長にかげりが見え始め、景気の「二番底」突入が懸念されています。国内に目を転じると、「政治の劣化」「経済の劣化」「社会の劣化」が深刻化していることに、私は深い危機感を抱いています。経済、外交の閉塞状況や国民の将来不安に対し、有効な手を打つことができない民主党政権の姿は、まさに「政治の劣化」であります。先の参院選挙で、「政治とカネ」の問題などに決着をつけることができない民主党政権に対し、私はレッドカードを突き付けましたが、引き続き公明党は、「闘う野党」として民主党政権に毅然と対応してまいります。

デフレに追い打ちをかける急激な円高で、輸出に依存してきた日本経済の脆さがあらわになってきました。「経済の劣化」です。さらに、「消えた高齢者問題」では、家族や地域共同体の「つながり」の衰退が顕著になり、「社会の劣化」が浮き彫りになりました。こうした状況の下で、国民の間には「この国は一体、どうなっていくのか」という不安感が広がっています。

今こそ公明党は、不安と混迷の時代を打開する展望を示し、国民に勇気と希望をもたらす政治を推進しなければなりません。そうした観点から、昨年、私が提示した「ビジョン」(新しい福祉・教育・平和をつくる公明党 「人道の先進国」日本へ)を一歩前へ進めなければならないと決意しております。

第1に当面の景気回復と「21世紀型の経済成長」です。第2に「新しい福祉」を含む社会保障制度の再構築、第3に地方分権の推進と「地域主権型道州制」への基盤づくりです。

民主党政権に毅然と対応
「医療・介護モデル地域」創設

第2に社会保障です。うつ病や無年金者、貧困層の増大など従来の福祉や雇用のセーフティーネット(安全網)では対応できない問題に取り組むため、公明党が提唱した「新しい福祉」の具体化を加速させてまいります。

福祉社会の将来像について、「ビジョン」では、自助・共助・公助の三つが最もバランスよく調和した「協働型福祉社会」を掲げました。団塊の世代が75歳以上になり、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が現在の23%から30%に達する2025年へ向け、新たな福祉社会をつくり出さなければなりません。

現在、党内では、年金・医療・介護・子育ての「社会保障トータルビジョン」を年内に取りまとめる作業が進んでいます。新しい福祉社会像を明確に示し、政府に実現を迫ってまいります。大枠の制度設計と併せ、特に医療過疎や介護問題が最も深刻化している地域などを対象に、自助・共助・公助の最適な組み合わせを具体化した「医療・介護モデル地域」の創設を提案したいと思います。新しい福祉社会の姿を目に見える形で提示するとともに、さまざまな課題を洗い出し、それを乗り越えた試みを全国で共有できるようにいたします。

公明党のネットワークは行動する政策創造集団

与野党間協議の設置を提案
選挙制度改革について

先に、政治の劣化、経済の劣化、社会の劣化に言及しましたが、私は、政治の劣化に歯止めをかける一つの重要なアプローチとして、今こそ選挙制度のあり方を根本から議論し直すべき時ではないかと思います。

現行の制度は価値観が多様化した現在の社会状況に合わず、議会内の多数と国民の民意との間に大きなズレが生じています。

さらに、「政治家が内向き、小粒になり、世界の中で日本はどう生きていくべきか、20年後、30年後の日本に必要な政策は何かを考えるスケールの大きい政治家が少なくなった」など、政治家の質の低下、政治の劣化が指摘されるに至っています。

また、投票価値の平等をめぐって起こされた裁判で、違憲判決が続いているのは誠に由々しき事態です。

参院の選挙制度に関しては、最高裁の違憲判決を受けて改革への議論が始まっています。同様に衆院についても違憲判決が相次ぎ、最高裁での統一的判断がなされようとしています。憲法上の観点からも、選挙制度改革に取り組むべきです。

私は、二大政党制に民意を無理やり押し込めるのではなく、多様な民意をより反映できる制度をどう作るべきかを虚心坦懐に検討すべきであり、各党とも定数削減と併せて選挙制度改革に真摯に向き合っていくべきであると申し上げたい。

そのために、選挙制度改革について党利党略ではなく誠実かつ公平な議論を開始していくため、与野党を超えた政党間協議の場を設置することを提案したいと思います。

青年力、女性力、地域力を生かす
統一地方選勝利へ前進

本日、新たな出発を期すに当たって、公明党のネットワークは「行動する政策創造集団」であると申し上げておきたい。民主党や自民党は、国会議員が地方議員と連携を密にして地域の課題解決のために行動するネットワーク力が極めて弱い。参院選で登場した多くの新党にも、こうしたネットワークはありません。

地域の諸問題にいち早く気付き、解決に必要な政策をつくり、その実現に挑戦できる政党は、公明党しかありません。公明党は、まさに日本最大の政策創造集団であります。さらに、公明党には、若者の声を受け止めて政策に反映させる青年力、生活者の目線で政治をチェックし署名運動などで国政を動かしてきた女性力、全国隅々まで根を張った地域力があります。その青年力・女性力・地域力を最大限に生かして、明年の統一地方選で何としても全員当選を果たしてまいりたい。

この戦いに勝利することが、ネットワーク政党・公明党の力を磨き上げ、次期国政選挙で、さらなる飛躍を期す基盤となります。全議員、新人を含む全候補が戦いの先頭に立ち、新たな党の歴史を築こうではありませんか! 私も全国を駆け巡り、必ずや完全勝利への突破口を開いてまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。戦いましょう!

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