木村稔全漁連副会長との対談


 木村稔氏(全国漁業連合組合副会長、宮城県漁協経営管理委員会会長)と「あすの漁業を考える」をテーマに対談しました。その内容が、5月24日(日)付けの公明新聞に掲載されましたので、紹介します。



(以下記事転載)

 魚離れや魚価の低迷など漁業を取り巻く課題が山積している。「あすの漁業を考える」と題して、これらの難問へ果敢に挑戦する公明党キーマンの一人・井上義久氏と全漁連副会長・木村稔氏の対談を紹介する。



環境問題への関心と認識を共有



井 上

平素、さまざまなご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。わが国の食料自給率の向上や地域の活性化のために、漁業の発展が必要不可欠です。そのために公明党も頑張りたいと思っています。



木 村 氏

 漁業の発展を考える上で、今、みんなで考えなければならない問題が環境です。陸から海に流れ込む雨水や下水道の処理水には、窒素やリン、銅など海の動植物に影響を及ぼす物質が含まれて、近年、コンブなどの海藻が消え、代わりに白い石灰藻が海底一面を覆う、いわゆる磯焼けといわれる現象が各地の海に広がっています。ワカメやコンブの減少で、海藻をエサとするウニ、アワビの成長の悪化などを引き起こしています。



井 上

 漁業に携わる人も都会で生活する人も環境問題への関心と認識を共有し、豊かな海の環境を守っていきたい。そのために公明党も努力していきます。これまで各地の漁業の現場に趣き、意見交換を重ねてきました。そこで感じたことが3点あります。1つは今もお話に出てきました漁業資源の悪化。2つ目は魚価の低迷や資源高騰、漁業者の高齢化など漁業経営の困難さ。3つ目は食生活の変化に伴う魚離れの問題です。



木 村 氏

 資源の枯渇について、先ほど申し上げましたが、都会も漁村もそこに住む人が「海と陸は切り離しては考えられない存在」という認識をもって、有害物質を海に流されないことです。



井 上

 漁業経営が困難な要因は、漁価が低迷し、その上、漁業設備が高度化して経費が大きい、という点にありますか。



木 村 氏

 魚価は確かに下がっています。石巻地域のカキ養殖でいえば、かつては、今のように立派な設備でなくても養殖業ができた。それが今では設備の高度化が進んだ。生カキは以前10㌔1万8000円だっかのが今は、1万円を切っている。経費は掛かる、価格は安い、というのが現状です。



井 上

 水産物を高価格で販売するために原産地表示をしっかりするなど、ブランド化を図っていくことが必要ですね。



木 村 氏

 そうです。地元の漁協では今、ブランド化事業を計画中です。「安心・安全」をブランド化の基本に据えて、バーコードによる産地表示を行い、浄化した塩水を使って、おいしいカキを消費者に届ける計画です。この事業計画のために国から9700万円の助成を受ける予定です。



学校給食で国産魚の利用を



井 上

 国の漁業構造改革総合対策事業を活用するわけですね。この事業は4月10日に政府・与党が決定した新経済対策の中に盛り込まれているものです。今度の新経済対策では、総額15.4兆円の財政措置を行います。そのうち水産業関連は総額981億円。この漁業構造改革総合対策事業は、高性能漁船や高度な品質管理手法の導入により、漁業・養殖業の収益性を高める取り組みを支援する目的で、199億円を措置します。



木 村 氏

 これまでにない予算措置ですね。



井 上

 それから以前、「中小企業の緊急保証制度と同じような“漁業版”の金融支援を」とのご要望を全漁連の皆さんから受けました。今度の新経済対策の中に、その施策を盛り込みました。水産業緊急保証等事業として、100億円を積んで、それを基に新たな保障枠1200億円の緊急保証措置を実施することになります。この“漁業版”の金融支援で、漁船・養殖施設の融資の利子助成などが実現します。



木 村 氏

 そうですか!それはありがたいです。



井 上

 食生活の変化で消費者、子どもの魚離れが進んでいますね。



木 村 氏

 魚食を進めるために学校給食で、もっと国産の魚を利用してもらいたい。また、漁業者の側でも都会の消費者に、魚の調理法や新鮮さ、おいしさを、大いにアピールすることが大事です。



井 上

 そうですね。新鮮な魚を食べると、子どもも、魚ってこんなにおいしいのかと魚好きになりますよ。



木 村 氏

 これからは生産者がインターネットで消費者と直接つながり、魚の消費拡大を進めていく努力が必要です。



井 上

 担い手・後継者をどうするかという問題があります。



木 村 氏

 経営がしっかりしていれば後継者も育つ。それには漁業の現場を知るリーダーの存在が重要です。そのリーダーシップで地域を活性化すれば後継者、都会にいる子どもたちは浜に戻ってくると確信しています。



井 上

 後継者のお嫁さん問題も指摘されていますが、公明党は海や漁業体験を通じて、漁業を身近に感じてもらう、ブルーツーリズムを提唱してきました。そういう活動の中で、出会いのチャンスが期待できますね。最後に、公明党に対するご意見、ご要望があれば。



木 村 氏

 これまでもわれわれの要望に真剣に耳を傾けていただきました。日本の将来のために、1次産業を大切に、国民の目線で、漁業の現場を直視して、政策を実現していただきたいことを大いに期待しています。






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